★「SPF豚ひき肉(解凍)」のこと★

黒光商事では、鶏肉・豚肉・牛肉すべてのお肉を国産品で取り扱っています。そしてそのすべてのお肉の原料は冷凍保存期間がなく、高鮮度のチルド品です。これは、『子供たちが食べる学校給食のお肉は出来る限り国産品で、本来の味が分かるチルド原料から加工したものであるべき』という給食への思いがあるからです。入札で商品を選定して給食を作っているエリアや都内の調理場でも、肉類の規格には“冷凍不可”という文言があり、チルド原料のお肉で給食を作るというルールがあります。

 

※名古屋コーチンなど、一部の特殊な肉類はチルド品入手困難なため冷凍原料を使用しています

 

そんなお肉への思いを持った黒光商事がナゼ今回は特売品で解凍品の豚ひき肉をご紹介するのか？？

これには学校給食専門の卸売業者ならではの事情があります。

 

 黒光商事が単独調理校にお届けしている豚肉は、基本的にSPF豚を原料としています。より安心安全でおいしいものを子供たちに食べて欲しいから、特定の病原体を持たず味も調理性も良いこの原料にこだわって仕入れをしています。豚肉は自社加工ではなく、食肉加工専門業者さんに原料仕入･加工を委託しており、学校様からのご注文に応じて個別に商品を製造してもらっています。実はこの業者さん、ほとんど黒光商事のためにSPF豚を仕入れているんです。

 

様々な業界に通じることですが、商品を取引きするときには安定した仕入実績の有無が重要なポイントとなることがあります。流通量の少ない商品や限定品は、この『安定した仕入実績』があることで途切れることなく商品を入手することができます。平たく表現すると…生産者が数量限定商品を販売するときに、いつも注文してくれているお客さんには提供できるけれど、初めてや時々しか来ないお客さんには「売り切れ」と伝えてしまう。例えるなら常連さん優先、一見さんお断りといったかんじです。

 

SPF豚肉はそれほど多く流通しているお肉ではないため、この『安定した仕入実績』が必要なんです。

しかし、学校給食には夏休みがあります。8月はSPF豚肉の仕入れ実績に穴が開いてしまうんです。すると『安定した仕入実績』が揺らいでくるため、何らかの理由で流通する原料が少なくなる事態が起きたときに仕入れが出来なくなってしまう可能性が出てきます。そうなってしまったら、給食用に注文をいただいた豚肉をご用意することが出来なくなってしまいます…。

これを回避するため、業者さんは8月も他の月と同程度のSPF豚の仕入れを行っています。でも、この豚肉は給食がないのでチルドのままでは行き場がないのが実情です。そこで、苦肉の策としてお肉屋さんはひとまず角切り加工して冷凍保存していました。これをご注文に応じてひき肉に再加工するのが今回1月限定特売でご紹介している「SPF豚ひき肉(解凍)」です。

高鮮度で仕入れた原料をすぐに一次加工し、肉専用の冷凍設備で衛生的に管理されていた商品なので、もちろんチルド品と同様に安心安全です。

 

このような学校給食専門業者ならではの事情をご理解いただき、今回の特売品「SPF豚ひき肉(解凍)」をご活用いただければ幸いです！

 

　学校給食用食材には、食育･安心安全･公的理由･外食とは異なる提供スタイルなどの観点から独自の事情やルールを持つ商品があります。普段はあまりお伝えする機会のない、そんなお話を含めた商品のご紹介をこのサイトでは行っていきたいと考えています。ご興味を持っていただければ嬉しいです。

 

　昨今のコロナ禍による世界的な流通事情の変化の中、肉類の市場も大きく変わってきています。外国産肉の国内流通量が減少し、円安なども合わさって“国産＜外国産”という価格帯の逆転が起こっていたり、それらに伴う国産品の需要増によって国産肉類の品薄状態が最近では続いています。一方保存の観点では、冷凍技術の進化により、食品の食味や物性をほとんど変化させずに冷凍保管できるようになってきています。チルドが当たり前の学校給食用肉類も、いつかは傾向が変わっていくかもしれません。それでも、生産者や流通･保管状態がしっかりと分かり、子供たちに安心して食べてもらえる商品をご用意していくことが学校給食専門卸売業者である黒光商事の守るべきルールだと考えています。