CA貯蔵のこと🍎
青森県の視察、第二弾書いていこうと思います。
ひとつ前のブログでは主に光センサーについて書かせていただきました。わかりやすく編集した動画(ここをクリック!)もアップされているので、まだの方はぜひ見てみてください。
視察二日目。最初に視察させていただいたのは、青森市りんごセンターさん。青森市がりんご産業の発展の為に整備した施設で、事前申し込みをして利用料を払えば個人の農家さんも利用することができます。ここで個人的に一番気になっていたCA貯蔵施設を見学させてもらいました。
まず見学させてもらったのは、CA貯蔵冷蔵庫。
CA貯蔵とは冷蔵庫内の大気組成を人工的に変えることで、りんごの呼吸を最低限にし、品質の低下を防ぐ貯蔵方法のこと。青森市りんごセンターさんでは庫内の酸素濃度と二酸化炭素濃度を約2%、窒素濃度を約96%、温度は0度、湿度は90%以上に調整しています。青森市りんごセンターさんのCA冷蔵庫には20㎏入りのコンテナが1万5千箱も収容可能。しかも10室もあります。
このCA貯蔵冷蔵庫を利用することで出荷時期の調整が可能、有利な出荷をすることができます。私たちが夏場の時期外れにおいしいりんごを食べられる理由もこれですね。
ただしこの大きなCA冷蔵庫にも弱点が。一度大気組成の調整をおこなったあとは、出し入れが容易ではないんだとか。
調整後の庫内は超危険。大気組成を元の状態に戻さないと庫内に入れない為、全入れ、全出しが基本です。大きな事業者では問題ありませんが、小規模な農家での利用は難しいんだとか。
それを解決したのが、自動ラックCA冷蔵庫。
自動制御されたクレーンが庫内を移動し、自動で出し入れしてくれます。人が庫内にはいる必要がないため常時出し入れが可能、しかも1パレット単位で管理、出し入れする為、最適な時期に合わせて少量単位での有利な出荷が可能になります。
CA貯蔵冷蔵庫は建築費や運転費用がとても高額で、個人での導入はリスクが大き過ぎます。しかし青森市りんごセンターさんのCA貯蔵施設は事前に申し込みしておけば手ごろな料金で利用可能です。難しい大気組成の調整も、青森市りんごセンターさんが管理してくれるし、パネル操作で出し入れも自動、誰でも簡単にCA貯蔵施設を使用できます。
あとは戦略的に有利な出荷をしてガッチリです。持続可能な農業経営には生産者が豊かであることも必須です。